2025/4/14

ウェブサイト翻訳とは?使える便利なツール&サービスまとめ!

ウェブサイト翻訳とは?使える便利なツール&サービスまとめ!

はじめに

「海外の情報をリサーチしたいけど、英語のサイトは読むのが大変…」「自社のウェブサイトを海外の人にも見てもらいたいけど、どうすれば?」

インターネットが世界中をつなぐ今、ウェブサイトの翻訳は、情報を得る側にとっても、発信する側にとっても非常に身近なテーマとなっています。特にビジネスにおいては、ウェブサイトを多言語化することで、新たな市場を開拓し、顧客層を広げる大きなチャンスが生まれるでしょう。

しかし、いざウェブサイトを翻訳しようとすると、「どのツールを使えばいいの?」「無料と有料、どっちが良い?」「翻訳の精度は?」「SEOへの影響は?」など、様々な疑問が浮かびます。

この記事では、そんな「ウェブサイト 翻訳」に関する疑問を解消し、あなたの目的に合った最適な方法を見つけるためのガイドを提供します。無料ツールから本格的な多言語化サービス、そしてSEO対策まで、分かりやすく解説していきます。

なぜ今、ウェブサイトの翻訳(多言語化)が求められるのか?

ウェブサイトを翻訳し、多言語で情報を提供することの重要性は、年々高まっています。その背景には、グローバル化の進展に伴う具体的なメリットが存在するのです。

  • グローバル市場へのアクセス拡大

    インターネットを使えば、世界中の潜在顧客にアプローチすることが可能です。しかし、情報が自国語で提供されていなければ、多くのユーザーはサイトを離れてしまうでしょう。ウェブサイトを翻訳することは、この言語の壁を取り払い、広大なグローバル市場への扉を開く第一歩となります。

  • 多様な顧客体験の提供

    日本を訪れる外国人観光客(インバウンド)や、国内に住む外国人など、日本語以外の言語を必要とするユーザーは増えています。彼らが自社のサービスや製品にアクセスしやすくなるよう、ウェブサイトを翻訳することは、顧客満足度を高め、より良い顧客体験を提供することに繋がります。

  • ブランドイメージと信頼性の向上

    複数の言語に対応しているウェブサイトは、国際的な視野を持ち、多様な顧客を大切にする企業であるという印象を与えます。これは、グローバルなブランドイメージの構築に貢献し、海外の取引先や顧客からの信頼性を高める効果も期待できるでしょう。

ウェブサイトを翻訳する主な方法と比較

ウェブサイトを翻訳する方法は一つではありません。個人の閲覧目的から、本格的なビジネス利用まで、目的に応じて様々な選択肢があります。ここでは代表的な4つの方法とその特徴を比較します。

  • 【見るだけ簡単】ブラウザ機能・無料ツール Google Chromeなどのブラウザに搭載されている翻訳機能や、Google翻訳、DeepLといった無料のオンラインツールを使う方法です。海外サイトを読む際に最も手軽でしょう。

    メリット: 無料で誰でもすぐに利用できます。 デメリット: 翻訳精度にばらつきがあり、あくまで一時的な翻訳です。自社サイトの多言語化やSEOには向きません。

  • 【自社で実装】自動翻訳API・プラグイン Google Cloud Translation APIなどを利用して自社サイトに組み込んだり、WordPressなどのCMSに翻訳プラグインを導入したりする方法です。

    メリット: 自動翻訳が可能で、比較的コストを抑えられます。 デメリット: 実装にはある程度の技術知識が必要です。品質管理やメンテナンスの手間もかかります。

  • 【運用も楽々】多言語化サービス(SaaS) 近年注目されているのが、クラウド型の多言語化サービスです。既存サイトにタグを埋め込むだけで、自動翻訳、翻訳管理、SEO対策などを一括で提供します。

    メリット: 導入が簡単で、運用管理の手間が少なく、SEOにも配慮されています。 デメリット: 月額などのランニングコストが発生します。

  • 【品質最優先】人力翻訳(翻訳会社) プロの翻訳者に依頼する方法です。ウェブサイト制作会社が翻訳サービスも提供している場合もあります。

    メリット: 最も高品質で、文化的背景も考慮した自然な翻訳が期待できます。 デメリット: コストが最も高く、時間もかかります。

無料で試せるウェブサイト翻訳ツールと注意点

コストをかけずにウェブサイトを翻訳したい場合、無料ツールは非常に魅力的です。しかし、その利用にはいくつかの注意点も存在します。

  • Google翻訳・DeepLの活用法 これらのオンラインツールは、テキストやURLを入力するだけで簡単に翻訳できます。一時的に海外サイトの内容を把握したり、簡単な文章を翻訳したりするには非常に便利です。ただし、翻訳結果をそのままコピーして自社サイトに掲載するのは、品質や著作権の観点から推奨されません。
  • Chromeなどのブラウザ拡張機能 ブラウザの翻訳機能を使えば、閲覧しているウェブサイト全体をその場で翻訳できます。これは海外サイトを読む際には非常に有効ですが、自社サイトを多言語化する手段ではありません。訪問者がその機能を使うかどうかは、ユーザー次第となるのです。
  • 無料翻訳の限界とビジネス利用のリスク 無料ツールの翻訳精度は向上していますが、完璧ではありません。誤訳や不自然な表現は、企業の信頼性を損なう可能性があります。また、機密情報などを翻訳ツールに入力すると、情報漏洩のリスクも考えられます。ビジネスで利用する場合は、これらのリスクを十分に理解し、限定的な利用にとどめるか、有料サービスを検討することが賢明でしょう。

ウェブサイト翻訳ツールの選び方|5つの比較ポイント

自社のウェブサイトを多言語化するためにツールやサービスを選ぶ際には、何を基準にすれば良いのでしょうか。ここでは、失敗しないための5つの比較ポイントをご紹介します。

  • 翻訳品質とカスタマイズ性 自動翻訳の精度はどの程度か、専門用語の辞書登録や手動での修正は可能か。求める品質レベルと、それを実現するための機能があるかを確認しましょう。
  • 対応言語とサイト規模 いくつの言語に対応したいのか、サイト全体のページ数や更新頻度はどのくらいか。サービスの対応言語数や、大規模サイトでも安定して動作するかは重要なポイントです。
  • 導入・運用の手軽さ 専門知識がなくても簡単に導入できるか、翻訳の管理や更新はしやすいか。タグを埋め込むだけなのか、サーバー側での作業が必要なのかなど、導入・運用のプロセスを確認することが大切です。
  • SEO対策機能の有無 多言語サイトで集客を狙うなら、SEO機能は欠かせません。言語ごとにURLを設定できるか、hreflangタグは自動生成されるかなど、検索エンジンに評価されやすい仕組みがあるかを確認しましょう。
  • コスト(初期費用・月額費用) 初期費用はかかるのか、月額費用はどの程度か、翻訳量に応じた従量課金はあるのか。予算内で、必要な機能と品質が得られるかを総合的に判断する必要があります。

翻訳だけじゃない!ウェブサイト多言語化の落とし穴

ウェブサイトを翻訳しさえすれば、海外ユーザーが満足してくれるわけではありません。多言語化を進める際には、翻訳以外の側面にも目を向ける必要があります。

  • 文化や商習慣への配慮(ローカライズ) 言語だけでなく、国や地域の文化、宗教、商習慣に配慮することが重要です。画像や色の使い方、日付や通貨の表記、コンテンツの内容などを現地のユーザーに合わせて最適化する「ローカライズ」を怠ると、意図せずユーザーに不快感を与えたり、誤解を招いたりする可能性があります。
  • デザイン崩れとUI/UXの最適化 翻訳によってテキストの長さが変わると、サイトのデザインが崩れることがよくあります。ボタンからはみ出したり、レイアウトがずれたりしないよう、多言語化を考慮したデザインにするか、翻訳後に各言語で表示をチェックし、調整する作業が不可欠です。
  • 継続的なコンテンツ更新と管理 日本語サイトで情報を更新したら、速やかに多言語サイトにも反映させる必要があります。更新の遅れや情報の差異は、ユーザーの信頼を損ないます。多言語サイトの運用フローを確立し、誰が、いつ、どのように更新するのかを明確にしておくことが求められるでしょう。

多言語サイトで成果を出すためのSEO対策

多言語サイトを構築する上で、検索エンジン最適化(SEO)は避けて通れない課題です。ターゲットとする国のユーザーにサイトを見つけてもらうために、以下の対策を講じましょう。

  • 適切なURL構造の選択(サブドメイン/サブディレクトリ) 言語ごとにURLを分けることはSEOの基本です。一般的には、example.com/en/ のようなサブディレクトリ形式が、ドメインの評価を引き継ぎやすく推奨されることが多いですが、en.example.com のようなサブドメイン形式も有効です。サイトの構成や管理体制に合わせて選択しましょう。
  • hreflangタグの正しい実装 hreflang タグは、ページの言語と、そのページに対応する他の言語版ページの存在を検索エンジンに伝えるための重要なタグです。これを正しく設定することで、検索ユーザーに最適な言語のページが表示されやすくなり、重複コンテンツ問題を避けることができます。
  • ターゲット言語でのキーワード戦略とコンテンツ最適化 日本語のキーワードを直訳するだけでは不十分です。ターゲットとする国や言語で、ユーザーが実際にどのようなキーワードを使って検索しているかを調査し、そのキーワードに基づいてコンテンツ(タイトル、説明文、本文など)を最適化する必要があります。

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海外SEO対策とは?基本から実践手順、注意点まで徹底解説

ウェブサイトを翻訳したい際に導入すべきサービス4選

1.Autolingual

 -Autolingual(オートリンガル)は、株式会社Enjuが提供するWebサイト多言語化サービスです。数行のスクリプトタグを埋め込むだけで、既存のサイトを短時間で多言語対応させることができます。最新のAI翻訳エンジンはWebサイト特有の表現に最適化されており、自然で読みやすい翻訳が特徴です。最大130言語に対応し、専門用語の辞書登録やネイティブによる翻訳チェックといった機能も利用可能です。また、言語別URL機能により、多言語SEOにも配慮された設計となっています。導入の簡単さと相場よりも手頃な価格帯が評価されており、大企業から個人事業者まで幅広く活用できる多言語化SaaSです。

2.WOVN

 -WOVN(ウォーブン)は、既存のWebサイトに簡単に多言語対応を追加できるクラウド型の多言語化ソリューションです。JavaScriptタグを埋め込むことでサイト全体を自動で翻訳・表示できるサービスです。翻訳方法は自動翻訳・人力翻訳・プロ翻訳から選べ、品質も柔軟に調整できます。さらに、CMSやECプラットフォームとの連携、セキュリティ対策などの細かい機能も備えています。費用や機能面も含めて、大企業に特化したサービスといえます。

3.ポリリンガル

 -ポリリンガルは、株式会社イーブレストが提供するクラウド型の多言語化サービスです。WebサイトのURLを指定するだけで、自動的に14言語に翻訳され、多言語サイトが生成されます。機械翻訳をベースとしつつ、管理画面から手動での修正や用語の統一も可能です。本体のウェブサイトと常に同期しているため、多言語サイトで最新の情報をお伝えすることができます。コストを抑えて多言語対応を始めたい中小企業や自治体に人気です。一方で、カスタマイズ性や高度な連携機能はやや限定的です。

4.Spoke

 -Spokeは、株式会社huddleが開発した多言語Webサイト構築ツールで、最大36言語に対応する高機能なサービスです。機械翻訳と人力翻訳をページ単位で選択できる柔軟性があり、重要なコンテンツにはプロの翻訳を適用できます。WordPressなど主要CMSと連携可能で、既存のサイト構造を保ったまま多言語化できる点も魅力です。SEO対策としてはサブドメインやサブディレクトリの設定に対応し、翻訳納品も数時間と迅速です。月額の固定費が不要で、定期的なコストを抑えることができるのも大きな強みです。


おすすめの選び方

制作者向けの翻訳サービスを選ぶ際は、以下の点を意識しましょう

  • 自動翻訳+人力校正の有無
  • SEO対応(hreflang、URL設計など)
  • CMSとの連携可否(WordPress、Shopifyなど)
  • 運用コストや維持費
  • 技術的サポートの有無

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まとめ

ウェブサイトの翻訳は、情報収集の手段として、そしてビジネスチャンスを拡大するための戦略として、その重要性を増しています。

無料ツールから高機能なSaaS、プロの翻訳会社まで、その方法は多岐にわたりますが、大切なのは「目的」「品質」「コスト」「運用」「SEO」といった要素を総合的に考慮し、自社にとって最適な方法を選択することです。

特にビジネスで利用する場合は、単なる翻訳にとどまらず、文化的な背景を考慮したローカライズや、海外ユーザーに見つけてもらうための多言語SEO対策が成功の鍵を握ります。

この記事で紹介した方法やツール、注意点を参考に、あなたのウェブサイトの可能性を世界に広げてください。適切な方法を選び、計画的に進めれば、ウェブサイト翻訳はあなたのビジネスに大きな価値をもたらすことでしょう。