海外展開に必須!ホームページを多言語対応にする方法!

「海外ユーザーからのアクセスが増えてきたけど、ホームページは日本語だけ……」そんな課題を抱えていませんか?この記事では、ホームページを多言語対応にする方法やおすすめツール、費用の相場までをわかりやすく解説します。
ホームページの多言語対応とは?

ホームページの多言語対応とは、1つのWebサイトで複数の言語によるコンテンツを提供し、ユーザーが自分の理解しやすい言語で情報を閲覧できるようにする取り組みです。たとえば、日本語のサイトに加えて英語、中国語、韓国語などのバージョンを用意することで、世界中のユーザーにアクセスしやすい環境を整えることができます。
この対応は単なる「翻訳」にとどまらず、以下のような幅広い取り組みを含みます:
- ユーザーのブラウザ設定やIPアドレスに応じた自動言語切り替え
- 言語ごとのページURL構造(例:https://example.com/en/)の設計
- 翻訳の品質管理と更新フローの整備
- 言語ごとの文化的表現や視覚デザインの最適化
これにより、世界中の訪問者が母国語で情報を受け取れるようになり、企業の信頼性やブランド力が高まるだけでなく、ビジネスチャンスの拡大にもつながります。
ホームページを多言語対応にする重要性とは
インターネットの普及により、企業の活動範囲は国内にとどまらず、世界中へと広がっています。その中で、ホームページを日本語だけで構成していると、国外のユーザーには情報が伝わらず、大きな機会損失を招くことになります。
実際、CSA Researchの調査によれば、65%の消費者が母国語のサイトでの購入意欲が高まると回答しており、海外展開する際、多言語サイトを保有していないことは、売上を下げる大きな要因になってしまう可能性が高いです。
特に次のようなビジネスシーンでは、多言語対応の重要性が高まります
- 観光業・宿泊業:外国人観光客の予約や問い合わせを促すために、英語・中国語・韓国語などでの案内が不可欠。
- ECサイト運営:海外からの注文を受けるためには、商品の説明や決済画面を多言語対応にする必要がある。
- BtoB取引・海外展開:現地のパートナーや見込み顧客との信頼関係構築には、情報の正確な伝達が鍵。
また、以下のようなメリットも得られます
- 離脱率の低下:母国語で情報が読めることで、ユーザーの滞在時間が延び、直帰率が下がります。
- SEO効果の向上:Googleは多言語サイトを適切に評価しており、現地の検索キーワードでの上位表示が可能になります。
- ブランドの国際化:海外ユーザーへの配慮が見えることで、企業としての信頼性やグローバルなイメージが高まります。
一方で、対応しない場合には、以下のようなリスクがあります
- 競合他社に見込み顧客を奪われる
- グローバル市場への拡大が困難になる
- ブランド価値の低下や不信感につながる
つまり、多言語対応は単なるオプションではなく、将来のビジネス成長を左右する重要な施策だと言えます。
🔧 サイトを多言語化させるまでのステップ
1. 多言語対応を行う目的の確認
まず最も重要なのは、「なぜ多言語化を行うのか?」という目的の明確化です。目的があいまいだと、対応範囲やコスト配分がブレてしまい、最終的な成果も中途半端になりがちです。
目的の具体例:
- 海外からの問い合わせを増やしたい(→BtoBサイト向け)
- 訪日外国人に向けて施設情報を案内したい(→観光業)
- 海外ユーザー向けに商品を販売したい(→越境EC)
- 海外の採用活動を強化したい(→採用サイト)
この目的によって、「翻訳の精度はどこまで求めるか?」「対応言語数は何ヵ国語必要か?」などの判断軸が明確になります。
2. 対応する言語の選定
対応言語の選定は、アクセス解析や市場分析に基づいて行うのが鉄則です。以下のデータを使って検討しましょう。
- Googleアナリティクスのアクセス地域/言語設定
- インバウンド需要(訪日外国人数など)
- ターゲット市場の優先度(ASEAN諸国?北米?EU?)
複数言語に対応する場合、対応する言語数が増えるほど翻訳・管理のコストがかかるため、段階的に導入するのも現実的です。
3. 委託先の選定
多言語対応には、以下のような委託先の選択肢があります:
- 翻訳会社:プロ品質の翻訳を重視するなら最適。業界専門用語にも強い。
- Web制作会社:デザインから多言語対応まで一括で任せたい場合に便利。
- 多言語化ツールの提供会社:スピード導入と運用のしやすさを重視する企業向け。
選ぶ際のチェックポイント:
- 翻訳精度や専門性(医療・法律など専門用語の有無)
- 予算に合ったプランがあるか(初期費用+月額費)
- システム連携のしやすさ(WordPress連携、APIなど)
- サポート体制(翻訳後の微調整やトラブル対応)
4. デザインやUIの修正、海外SEO対策
多言語対応では、「翻訳だけすれば終わり」ではありません。言語によるレイアウト崩れや、検索エンジンに対しての最適化も重要です。
💡 デザイン・UI面で注意すべき点:
- 英語やドイツ語は日本語より文字数が長くなりがち → ボタンサイズや改行位置の調整
- アラビア語やヘブライ語は右から左(RTL)表記 → 対応テンプレートやCSSが必要
- 言語切り替えUI(国旗アイコンやドロップダウンメニュー)の設置位置
🌍 海外SEOで対応すべき技術的要素:
- hreflangタグの設置(Googleに多言語ページを正しく認識させる)
- 言語ごとのディレクトリやサブドメイン構造の設計
例:example.com/en/(ディレクトリ型)や en.example.com(サブドメイン型)
- 現地語キーワードの選定とmeta情報の翻訳
SEOをおろそかにすると、せっかく翻訳したサイトが検索で見つからない、という致命的な事態になりかねません。
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多言語ホームページを制作する際の6つのポイント

多言語対応のホームページ制作を成功に導くためには、単に翻訳作業を行うだけでなく、戦略的な視点と細やかな配慮が求められます。制作段階から以下に挙げる7つのポイントを意識することで、海外ユーザーに真に価値が伝わるウェブサイトを構築できるでしょう。これらを怠ると、コストをかけたにも関わらず期待した効果が得られない、という事態にもなりかねないため注意が必要です。
1.多言語化するコンテンツの選定
サイト内の全ページを一度に多言語化するのは、コストや管理の手間を考えると非現実的な場合が多いでしょう。そのため、どのコンテンツから対応するか、戦略的に優先順位をつけることが効果的です。ターゲット市場のユーザーが本当に求めている情報や、ビジネス目標に直結するコンテンツにリソースを集中させるべきです。一般的には、会社概要、主力製品・サービス紹介、購入や問い合わせといったコンバージョンに近いページから着手することをおすすめします。投資対効果を意識したコンテンツ選定が成功の鍵です。
2.SEO(Search Engine Optimization)を意識する
素晴らしい多言語サイトを制作しても、ターゲットとする国のユーザーに検索エンジンで見つけてもらえなければ、その価値は半減してしまいます。各言語でのSEO対策は、制作の初期段階から組み込むべき必須事項と言えるでしょう。これには、hreflangタグを正しく設定して言語・地域をGoogleに伝えたり、言語ごとのURL構造を設計したり、そして何より、現地で実際に使われているキーワードをリサーチしてコンテンツに反映させたりといった作業が含まれます。
3.デザインを国・地域社会や言語別に用意する
文化や美的感覚は国や地域によって大きく異なるため、ウェブサイトのデザインも現地の好みに合わせて調整することが望ましいでしょう。ユーザーが親近感を覚え、直感的に使いやすいと感じるデザインは、サイトの信頼性や滞在時間を向上させる効果が期待できます。欧米では余白を活かしたシンプルなデザインが好まれる一方、アジアでは情報量の多いデザインが受け入れられやすいなど、傾向は様々です。画一的なデザインを押し付けるのではなく、ターゲットに合わせた柔軟な調整が効果を高めます。
4.言語切り替えの機能をわかりやすくレイアウトする
海外ユーザーがサイトを訪れた際、必要な時にすぐ目的の言語に切り替えられるよう、分かりやすい場所に言語スイッチャー(切り替え機能)を設置することはユーザビリティの観点から非常に重要です。この機能が見つけにくい場所にあると、ユーザーは言語を選べることに気づかず、自分には関係のないサイトだと判断して離脱してしまうかもしれません。一般的に、サイトのヘッダー右上やフッターなど、ユーザーの目に入りやすい位置に配置することが推奨されます。
5.多言語化の効果を定期的に見直す
多言語サイトは、一度公開したら終わりではありません。その効果を最大化するためには、継続的な効果測定と改善、つまりPDCAサイクルを回していくことが不可欠です。Googleアナリティクスなどのツールを活用し、言語ごとのアクセス数やユーザーの行動、コンバージョン率などを定期的にチェックしましょう。そのデータに基づいて、「どのコンテンツがよく見られているか」「どこでユーザーが離脱しているか」などを分析し、コンテンツやサイト構造の改善を繰り返していくことが求められます。
6.問い合わせ対応も言語別に用意する
多言語サイトを公開して海外からのアクセスが増えれば、当然ながら外国語での問い合わせも増加することが予想されます。せっかく興味を持ってくれたユーザーからの連絡に言語の壁で対応できなければ、大きなビジネスチャンスを逃すだけでなく、企業の評判を損なうことにもなりかねません。サイトの公開と同時に、問い合わせメールに対応できるスタッフの配置や、翻訳ツールを活用した対応フローの構築、外部の多言語サポートサービスの利用など、バックエンドの体制も計画しておくことが重要です。
多言語サイトのアクセスが伸びない3つの要因
コストと時間をかけて多言語サイトを構築しても、期待したほどアクセスが伸び悩むケースは少なくありません。その原因にはいくつかの共通点があり、単にサイトを翻訳しただけでは海外ユーザーの心には響かず、検索エンジンにも評価されにくいという現実があります。もし自社の多言語サイトのアクセスが伸び悩んでいるなら、以下の3つの要因に当てはまっていないか、一度見直してみる必要があるでしょう。
1.ローカライズが不十分
アクセスが伸びない最大の要因の一つとして、単なる「翻訳」で終わってしまっているケースが挙げられます。機械翻訳に頼っただけの不自然な直訳や、ターゲット国の文化を無視した表現は、ユーザーに強い違和感を与え、サイトからの即時離脱を招きます。例えば、日付や通貨、住所の表記が日本のままだったり、登場するモデルが日本人ばかりだったりすると、自分向けのサイトではないと判断されてしまうでしょう。言語だけでなく、文化や商習慣にまで踏み込んだ「ローカライズ」ができていなければ、ユーザーの共感は得られません。
2.UXを意識できていない
ユーザーエクスペリエンス(UX)、つまり「ユーザーの使いやすさ」への配慮が不足していることも、アクセスが伸びない大きな原因となります。例えば、言語が異なるとテキストの長さも変わるため、日本語では問題なかったレイアウトが崩れ、ボタンが押しにくくなるといった事態は頻繁に起こります。また、言語切り替えボタンが見つけにくい、ページの表示速度が遅い、現地で一般的な決済手段に対応していないといった問題も、ユーザーにストレスを与え、サイトの評価を下げる要因となるでしょう。
3.キーワードを意識できていない
多言語サイトで特に見落とされがちなのが、SEOの基本であるキーワード戦略です。日本語で効果のあったキーワードを単純に翻訳しただけでは、現地のユーザーが実際に検索で使う言葉とは異なっている場合がほとんどです。その結果、検索結果に全く表示されず、誰にも見つけてもらえないサイトになってしまいます。各言語でゼロからキーワードリサーチを行い、現地の人が使う言葉でタイトルや見出し、本文を最適化していく地道な作業が、アクセスを伸ばす上で極めて重要になるのです。
ホームページを多言語対応させる方法とは
ホームページを多言語対応にする方法には、大きく分けて「自力で対応する方法」と「多言語化サービスを利用する方法」の2つがあります。それぞれの特徴とメリット・デメリットを理解したうえで、サイト規模や社内リソース、予算に応じた方法を選択することが重要です。
1. 自力で対応する方法
- HTMLやWordPressなどを使って各言語ごとのページを構築。
- 翻訳は社内または外部に依頼。
- ユーザーが切り替えられるUI(ボタンやドロップダウン)を用意。
メリット:自由度が高い、サービスに依存しない点
デメリット:専門知識が必要、運用・更新に手間がかかる点
2. 多言語化サービスを利用する方法
- タグやプラグイン導入で既存サイトを多言語化。
- 機械翻訳+人力翻訳の併用が可能。
- 管理画面から翻訳状態を一元管理できる。
メリット:導入・管理が効率的、SEO対応済みのサービスも多数存在する点
デメリット:月額費用がかかる、機能の差がサービスにより異なる点
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Webサイトの多言語化はこうやる!言語切り替えボタンの実装について
多言語化サービスとは

多言語化サービスとは、Webサイトを複数言語に対応させるためのツールやプラットフォームを指します。これらのサービスは、機械翻訳やプロ翻訳の導入、翻訳済みコンテンツの管理、言語切り替えのUI提供、SEO最適化までを一括で支援してくれるのが特徴です。開発リソースが少ない企業でも短期間で多言語対応が可能となるため、多くの中小企業やスタートアップでも活用が進んでいます。ここでは、手軽に導入可能でかつ高クオリティなおすすめの多言語化サービスを紹介します。
Autolingual(オートリンガル)
Autolingualは、株式会社Enjuが提供しているサイト多言語化サービスで、どんなサイト形式であれ、web上に掲載されているものであれば、数行のスプリクトタグを既存のサイトに埋め込むだけでサイトを多言語対応にすることが可能です。最大130言語対応という対応言語数の多さやwebサイト特有の表現を学習させた最新AIによる高精度な翻訳が大きな特徴です。また、業界特有の専門用語の翻訳に対応するための辞書登録機能や、言語別URL機能による多言語SEO対策など、さまざまな機能を備えており、最新技術の導入による効率性と高機能性から、大企業から個人経営者まで幅広い企業に利用されています。
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