2025/6/11

英語コンテンツの作り方ガイド|SEO対策から翻訳・作成のコツまで

英語コンテンツの作り方ガイド|SEO対策から翻訳・作成のコツまで

「自社の素晴らしい製品やサービスを、もっと世界中の人に知ってもらいたい」

ビジネスのグローバル化が進む今、多くの企業経営者やマーケティング担当者が、そう強く願っているのではないでしょうか。そして、そのための最も強力で、かつ費用対効果の高い手段が、インターネットを通じた「英語でのコンテンツ発信」です。

しかし、その一方で、「とりあえず日本語の記事を翻訳すればいいんでしょ?」という、安易な考えが失敗を招いているケースも少なくありません。

この記事では、海外市場で本当に「読まれ」「心を動かす」英語コンテンツとは何か、そしてそれをどう作り上げていくのか、戦略の立て方から具体的な作成プロセス、成功に不可欠なSEO対策まで、その全てを網羅した「完全ガイド」をお届けします。

なぜ今、英語コンテンツの作成がビジネスを成長させるのか?

まず、なぜ多くの企業が、時間とコストをかけてまで英語コンテンツの作成に取り組むのでしょうか。その背景には、投資を上回るだけの、計り知れないメリットが存在します。

日本語の10倍以上、巨大な英語市場へのアクセス

世界のインターネット利用者のうち、日本語を主要言語とするユーザーは約2.5%に過ぎません。一方、英語を主要言語とするユーザーはその10倍以上の、約25.9%を占めています。英語で情報を発信するということは、単純計算で、アプローチできる市場の大きさが10倍以上に広がることを意味します。国内市場の成長が頭打ちになる中で、この巨大な市場にアクセスできることは、企業にとって最大の魅力といえるでしょう。

海外展開・インバウンド誘致の強力な武器となる

質の高い英語コンテンツは、海外の潜在顧客やビジネスパートナーに、自社の専門性や技術力、ブランドの価値を直接届け、ビジネスのきっかけを作るための強力な武器となります。また、訪日前に情報収集を行う外国人観光客に対して、地域の魅力や店舗の情報を届けることもでき、インバウンド需要の獲得にも直結します。

グローバルなブランド権威性の構築

質の高い英語コンテンツを継続的に発信し続けることは、その業界や分野におけるグローバルな専門家、すなわち「ソートリーダー」としての地位を確立することに繋がります。これは、世界的なブランドとしての信頼性や権威性を高め、価格競争から一歩抜け出すための、非常に有効な戦略となるのです。

英語コンテンツ作成の2つのアプローチ

英語コンテンツを作成するには、大きく分けて2つのアプローチがあります。自社の状況や目的、リソースに応じて、これらを賢く使い分けることが重要です。

アプローチ①:既存の日本語コンテンツを英語に翻訳・最適化する

既に日本語で質の高いブログ記事や導入事例、ホワイトペーパーといったコンテンツ資産を豊富に持っている場合に、最も効果的なアプローチです。全くのゼロから作成するのに比べ、低コストかつスピーディーに英語コンテンツを量産できるのが最大のメリットです。ただし、この後で詳しく述べる「ローカライゼーション」の視点を持って、単なる直訳ではない、海外ユーザー向けの「最適化」作業が不可欠となります。

アプローチ②:海外市場向けに、全く新しい英語コンテンツを作成する

ターゲットとする海外市場のニーズや文化、商習慣が、日本と大きく異なると考えられる場合に有効なアプローチです。現地のユーザーが抱える独自の課題や、関心の高いトピックについて、ゼロからコンテンツを企画・作成します。例えば、日本の税制に関する解説記事を翻訳しても海外では需要がありませんが、海外の経理担当者向けに「日本のインボイス制度の基礎知識」といったコンテンツを新規作成すれば、大きな価値を生むでしょう。最も効果が高い反面、最もコストと時間がかかるアプローチです。

成功の鍵は「翻訳」にあらず。「ローカライゼーション」を理解する

海外向けのコンテンツ作成において、多くの人が陥る最大の罠が、「翻訳さえすれば良い」という誤解です。成果を出すための最も重要な概念、それがローカライゼーションです。

直訳では伝わらない!「翻訳」と「ローカライゼーション」の決定的違い

翻訳(Translation)が、日本語のテキストを、文法的に正しく英語のテキストに「置き換える」作業であるのに対し、ローカライゼーション(Localization)は、ターゲット市場のユーザーが、文化的な違和感なく、自然に内容を受け入れられるように、言語以外の全て(文化、商習慣、デザイン、ユーモアのセンスなど)を「最適化(現地化)」する、より包括的なプロセスを指します。

文化や商習慣に寄り添う「カルチャライズ」の視点

特に、文化的な側面に特化して最適化することを「カルチャライズ(Culturalize)」と呼ぶこともあります。

例えば、日本では美徳とされる「謙遜」の表現も、欧米のビジネスシーンでは「自信のなさ」の表れと受け取られかねません。また、製品の成功事例を紹介する際も、日本ではプロセスや苦労話が共感を呼ぶことがありますが、海外では「導入によって、具体的にROIが何%改善したか」といった、直接的で quantifiable(定量化可能)な成果を明確に示すことが求められます。こうした文化的な背景を理解し、コンテンツのトーン&マナーを調整することが、ローカライゼーションの核心なのです。

【実践】成果を出す英語コンテンツ作成の6ステップ

では、具体的にどのようなプロセスで進めれば良いのでしょうか。成果の出る英語コンテンツは、感覚ではなく、明確なステップに沿って生み出されます。

Step1:目的とターゲットペルソナを明確にする

まず、「誰に」「何を伝え」「その結果どうなってほしいのか」を具体的に定義します。例えば、「北米の中小企業でマーケティングツール選定に関わる担当者に、自社製品の優位性を理解してもらい、無料トライアルに申し込んでもらう」といったレベルまで、目的とターゲットペルソナを明確にしましょう。

Step2:海外向けキーワード調査で「検索意図」を掴む

ターゲットペルソナが、どのような言葉で、どのような悩みを検索しているのかを、現地の言葉で徹底的に調査します。これは、次のステップで解説する海外向けSEOの根幹をなす、極めて重要な作業です。

Step3:SEOに強い構成案を作成する

調査したキーワードと、その裏にある検索意図に応える形で、コンテンツの論理的な構成案を作成します。読者が求める答えを、分かりやすく、過不足なく提供できる構成になっているか、という視点が重要です。

Step4:執筆・翻訳作業

決定したアプローチ(既存コンテンツの翻訳か、新規作成か)に基づき、コンテンツの中身を作成していきます。この際、AIツールなどを活用して効率化を図ることも可能ですが、その品質管理が次のステップで重要になります。

Step5:ネイティブチェックで品質と自然さを担保する

AI翻訳や、英語が得意な日本人スタッフが作成した文章だけでは、どうしても不自然さや文化的なズレが残りがちです。必ず、その言語を母国語とするネイティブスピーカーに最終的なチェックを依頼し、表現の自然さや文化的な適切さを担保しましょう。これは、企業の信頼性を守るための必須プロセスです。

Step6:公開後の効果測定と改善

コンテンツは公開して終わりではありません。Google AnalyticsやSearch Consoleといったツールを使い、公開したコンテンツがどれだけ見られているか、どのようなキーワードで検索されているか、といったデータを定期的に分析し、リライトや新たなコンテンツ企画といった、継続的な改善(PDCA)に繋げていくことが成功の鍵です。

【最重要】海外向けコンテンツのSEO対策3つのポイント

素晴らしいコンテンツを作成しても、それが検索エンジン経由でユーザーに見つけてもらえなければ、存在しないのと同じです。海外向けSEOは、国内SEOとは異なる、以下の3つのポイントを必ず押さえましょう。

①キーワード調査:現地の言葉で考える

これが最大のポイントです。日本語のキーワードを、単純に英単語に置き換えるのは絶対にやめましょう。 例えば、日本で「海外移住」と検索する人は多いですが、アメリカの人が同じ目的で検索する際は "move abroad" や "become an expat" といった、全く異なる言葉を使います。Ahrefs(エイチレフス)やSemrush(セムラッシュ)といった専門的なSEOツールを活用し、ターゲットとする国で、実際にどのようなキーワードが、どれくらい検索されているかを徹底的に調査する必要があります。

②テクニカルSEO:「hreflang」タグの正しい設定

日本語サイトと英語サイトの両方を運営する場合、検索エンジンに対して「このページと、このページは、同じ内容の言語違いの“仲間”ですよ」と、正しく伝えてあげる必要があります。そのための合図となるのがhreflang属性というHTMLタグです。この設定を正しく行わないと、サイトが重複コンテンツと見なされたり、検索結果に意図しない言語のページが表示されたりするなどの、SEO上の不利益を被る可能性があります。

③コンテンツの品質:E-E-A-Tは世界共通の評価基準

Googleがコンテンツの品質を評価する上で重視する基準である「E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)」は、言語や国を問わず、世界共通の評価軸です。誰が書いた情報なのか(著者情報)、どのような専門性や実績を持つ組織が発信しているのか(監修者情報・運営者情報)を明確に記載し、情報の信頼性を担保することが、海外向けSEOにおいても極めて重要です。

誰に頼む?英語コンテンツ作成の依頼先とツールの賢い選び方

専門性の高い英語コンテンツ作成を、全て自社で行うのは困難な場合も多いでしょう。その際の外部リソースの選び方について解説します。

翻訳会社 vs クラウドソーシング vs AI翻訳ツール

依頼先・ツール

メリット

デメリット

翻訳会社

品質が最も高い、専門分野に対応

コストが最も高い、時間がかかる

クラウドソーシング

比較的安価、多数の選択肢

品質が玉石混交、ディレクションの手間

AI翻訳ツール

圧倒的に速く、安価

品質の限界、ニュアンス・文化の誤解

費用と品質のバランスをどう考えるか

どの選択肢がベストかは、コンテンツの目的や重要度によって異なります。例えば、企業の信頼性に直結するトップページのメッセージは翻訳会社に、一般的なブログ記事は「AI翻訳で下訳→クラウドソーシングでリライト→最後に社内の詳しい担当者がチェック」といったハイブリッドな進め方をするなど、費用と品質のバランスを戦略的に考えることが求められます。

Webサイト全体の英語コンテンツ化なら「多言語化ツール」が最適解

ここまでは、個別のコンテンツ作成について解説してきましたが、海外向けコンテンツマーケティングで真の成果を出すためには、より大きな視点が必要です。

なぜコンテンツ単体ではなく「サイト全体」の英語化が重要なのか

海外のユーザーは、一つの英語記事を読んだ後、その企業が信頼できるかを確認するために、必ず会社概要ページや他の製品ページ、価格ページなどを回遊します。その時に、ナビゲーションメニューやフッターが日本語のままだったり、リンク先のページが日本語だったりしたら、どう感じるでしょうか?おそらく、多くのユーザーは不安を感じ、その場でサイトを離脱してしまうでしょう。一貫した英語でのユーザー体験を提供すること、すなわちサイト全体を英語化することが不可欠なのです。

専門知識なしで、サイト全体を高品質な英語コンテンツに

この「サイト全体の英語化」を、専門知識や多大な手間をかけずに実現する最も現実的な方法が、「多言語化SaaSツール」の活用です。

英語コンテンツ戦略の第一歩を「Autolingual」で始める

「Webサイト全体の英語コンテンツ化が重要。でも、それこそ大変そうだ…」 その課題を解決し、あなたの英語コンテンツ戦略の第一歩を、最も簡単かつ効果的にサポートするのが、株式会社Enjuが提供するWebサイト多言語化サービス「Autolingual(オートリンガル)」です。

既存サイトを、タグ設置だけで高品質な英語コンテンツの基盤に

Autolingualは、既存の日本語サイトに数行のスクリプトタグを埋め込むだけで、最短即日から、サイト全体を高品質な英語(またはその他130言語以上)に対応させることが可能です。個別の記事を一つひとつ翻訳・入稿していく手間から解放され、ビジネスの基盤となるWebサイト全体を、一気にグローバル仕様にアップデートできます。

辞書機能とプロの翻訳で、専門性の高いコンテンツにも対応

最新のAI翻訳エンジンをベースとしつつ、製品名や業界の専門用語などを登録できる「辞書機能」で、翻訳の一貫性と正確性を保ちます。さらに、特に重要なコンテンツについては、プロのネイティブ翻訳者によるチェックを入れることも可能。これにより、専門性が高く、ブランドイメージを左右するコンテンツにも、安心して対応できます。

強力な多言語SEO機能で、世界からの集客を最大化

Autolingualは、海外向けSEOで必須となるhreflang属性の自動設定をはじめ、検索エンジンに評価されやすいURL構造の生成など、多言語SEOに必要な技術的要件を標準でカバーしています。これにより、あなたの質の高い英語コンテンツが、それを必要としている世界中のユーザーに「見つけてもらえる」可能性を最大化します。

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まとめ

本記事では、海外市場で成果を出すための「英語コンテンツ」の作り方について、その戦略的な意義から、具体的な作成プロセス、そして成功に不可欠なSEOやローカライゼーションの知識までを、網羅的に解説しました。

英語コンテンツの作成は、もはや一部のグローバル企業だけの特別な活動ではありません。それは、インターネットを通じて、巨大なグローバル市場への扉を開く、全ての企業にとって強力な成長戦略です。

成功の鍵は、単なる「翻訳」に留まらず、相手の文化に寄り添う「ローカライゼーション」の視点と、海外のユーザーに「見つけてもらう」ためのSEO対策にあります。

計画的なプロセスと、「Autolingual」のような便利なツールを賢く活用すれば、専門知識や豊富なリソースがなくとも、世界に通用する質の高いコンテンツ発信は十分に可能です。この記事が、あなたのビジネスが世界へ羽ばたく、その力強い第一歩となれば幸いです。