2025/6/13

海外の検索エンジンシェアランキング!世界と日本の違い、SEO対策を解説

海外の検索エンジンシェアランキング!世界と日本の違い、SEO対策を解説

「SEO対策といえば、Google対策のことでしょう?」 日本のWebマーケティングに携わる方であれば、誰もがそう考えるのが常識かもしれません。しかし、あなたのビジネスが国境を越え、世界に目を向けた瞬間、その「常識」は思わぬ落とし穴になる可能性があります。

世界では、本当に誰もがGoogleで検索しているのでしょうか?中国やロシア、韓国のユーザーは、何を使って情報を探しているのか、ご存知ですか?

この記事では、海外進出やグローバルなWeb戦略を考える上で、絶対に知っておくべき「海外の検索エンジン」のリアルな勢力図を、最新のデータに基づいて徹底解説します。日本の常識を一旦リセットし、世界の検索市場の多様性を理解することが、グローバルな成功への第一歩となるはずです。

日本の常識は通用しない?海外の検索エンジン事情

まず結論から言えば、世界に目を向ければ、Googleが絶対的な王者ではない国や地域が存在し、そこには日本とは全く異なる独自の「検索文化」が根付いています。

世界シェアはGoogleが圧勝、しかし…

もちろん、世界全体で見れば、Googleが90%以上という圧倒的なシェアを誇る、揺るぎない巨人であることは事実です。海外向けSEOを考える上で、Google対策が基本となることに変わりはありません。しかし、この「平均値」だけを見てしまうと、重要な事実を見落とすことになります。

国や地域によって異なる「検索の文化」

特定の国や地域に深く目を凝らすと、そこではGoogle以外の検索エンジンが人々の生活に深く浸透し、情報の探し方、サービスの選び方、そして消費の仕方にまで、絶大な影響力を持っているケースが存在します。海外向けビジネスを本気で考えるのであれば、この市場の多様性を理解し、尊重することが、全ての戦略の出発点となるのです。

【2025年最新】世界の検索エンジンシェアランキングTOP5

まずは、世界全体というマクロな視点で、現在の検索エンジンシェアを見てみましょう。

1位:Google - 揺るぎなき世界の巨人

改めて言うまでもなく、世界の検索エンジンの王者です。そのアルゴリズムは日々進化を続け、世界のWebのあり方を定義するほどの力を持っています。グローバルスタンダードであり、あらゆる海外向けSEOの基本対策は、Googleを軸に考えるべきであることは間違いありません。

2位:Bing - Microsoftが展開する挑戦者

Microsoftが提供するBingは、世界シェアで2位の座を確保しています。Windows PCのデフォルト検索エンジンとして設定されていることから、特に北米やヨーロッパのビジネスシーンにおいて、無視できない一定のユーザー層を抱えています。近年は、OpenAIとの連携により、AIチャット機能などをいち早く導入し、存在感を高めています。

3位以下:Yandex, Yahoo!,Baidu,などが続く

3位以下は、ロシアのYandex、米国のYahoo!、中国のBaiduなどが僅差で続く混戦模様です。ただし、これらの検索エンジンは、特定の国や地域で爆発的なシェアを誇っており、世界平均のシェアだけではその本当の力は見えてきません。

世界の検索エンジンシェア(2025年6月時点のデータに基づく)

順位

検索エンジン

シェア

1

Google

79.43 %

2

Bing

11.79 %

3

Yandex

2.89 %

4

Yahoo!

2.87 %

5

DuckDuckGo

1.02 %

6

Baidu

0.57 %

【要注意】Googleが1位ではない国々|中国・ロシア・韓国の検索エンジン

ここからが、海外向けWeb戦略における本題です。世界には、Googleが王者ではない、独自の検索エンジン経済圏を築いている国々が存在します。

【中国】Baidu(百度):グレート・ファイアウォールの内側

14億の人口を抱える巨大市場、中国。ここでは、政府によるインターネット検閲システム「グレート・ファイアウォール」によって、Google、Facebook、X(旧Twitter)といった海外の主要なサービスは、基本的に利用することができません。その代わりに、中国国民の検索行動を支配しているのが、Baidu(百度)です。その国内シェアは70%を超えており、中国市場をターゲットにするならば、Baiduを理解し、対策することは避けては通れない道となります。

【ロシア】Yandex(Яндекс):Googleとシェアを二分する強豪

ロシアでは、自国で生まれたIT企業Yandex(Яндекс)が、Googleとほぼ互角のシェアを争っています。Yandexは、ロシア語の複雑な文法や変化を正確に解析する能力に優れており、検索だけでなく、地図、EC、タクシー配車、フードデリバリーなど、人々の生活のあらゆる側面をカバーする「スーパーアプリ」として、ロシア国民の生活に深く根付いています。

【韓国】Naver(네이버):独自の経済圏を築くポータルサイト

IT先進国である韓国では、Naver(네이버)という検索ポータルサイトが、長年にわたりGoogleを凌ぐ影響力を持っています。Naverの最大の特徴は、検索結果に、自社が運営する多様なサービス(NAVERブログ、NAVERカフェ(コミュニティ)、NAVER知識iN(Q&Aサイト)など)のコンテンツを優先的に表示する点にあります。ユーザーはNaverという一つの経済圏の中で、情報の検索から、商品の購入、他者との交流までを完結させるのです。

Google以外の検索エンジン、その特徴とSEOの考え方

これらの特殊な市場で成果を出すためには、Googleの常識を一旦忘れ、それぞれのエンジンの思想とアルゴリズムに合わせた、独自のSEO戦略が必要となります。

Baidu SEO:ICPライセンスとコンテンツの独自性が鍵

Baiduで評価されるためには、まず、中国国内でWebサイトを公式に公開するための許可証である「ICPライセンス」の取得が、事実上必須となります。また、アルゴリズムは、質の高いオリジナルなコンテンツを重視する傾向が強く、他のサイトからのコピーコンテンツは厳しく評価されます。もちろん、キーワードやコンテンツは、全て中国語(簡体字)で最適化されている必要があります。

Yandex SEO:ユーザーの行動データを重視するアルゴリズム

Yandexのアルゴリズムは、ユーザーが検索結果をクリックした後、そのページにどれくらい滞在し、どのような行動を取ったか、といったユーザーの行動データを、検索順位の決定に大きく反映させるといわれています。そのため、ユーザーの検索意図に完全に応え、サイト内で長く回遊してもらえるような、エンゲージメントの高いコンテンツ作りが、Google以上に重要となります。

Naver SEO:自社サービス内のコンテンツが有利な傾向

前述の通り、Naverは自社のサービス群を検索結果で優遇します。そのため、Naverで上位表示を目指すには、自社のWebサイト(オウンドメディア)へのSEO対策だけでなく、NAVERブログやNAVERカフェといった、Naverのプラットフォーム内に、自社に関する質の高いコンテンツを戦略的に配置していくという、独自の視点が必要不可欠です。

海外向けSEO(グローバルSEO)を成功させるための基本戦略

では、このように多様な海外の検索エンジンと向き合い、成果を出していくためには、どのような戦略を描けば良いのでしょうか。その本質的なステップは、どの国を狙う場合でも共通しています。

Step1:ターゲット国の検索エンジンシェアを調査する

まず、思い込みで判断せず、StatCounterのような信頼できるツールを使い、ターゲットとする国の最新の検索エンジンシェアを正確に調査します。BtoBビジネスならBingのシェアも考慮に入れるなど、ターゲットユーザーの属性も加味して、主戦場となる検索エンジンを決定します。

Step2:現地の言語で、現地の検索意図を理解する

次に、その国のユーザーが、現地の言語で、どのような「悩み」や「欲求」を持って検索しているのか、その「検索意図」を深く理解します。日本のキーワードをただ翻訳しただけでは、現地のリアルなニーズを捉えることは決してできません。現地の文化やトレンドを理解し、彼らの心に響くキーワードを見つけ出す必要があります。

Step3:現地のユーザーに価値のあるコンテンツを作成する

そして、その検索意図に対して、明確な答えと、他にはない独自の価値を提供する、質の高いコンテンツを作成します。これが、全てのSEO施策の、そして全てのビジネスの基本となります。

全ての海外SEOの土台となる「Webサイトの多言語化」

もうお分かりでしょう。これらの海外向けSEO戦略を語る以前の、大前提となるもの。それが、ターゲット言語での情報発信の「場」を持つことです。

なぜ、現地の言語での情報発信が全ての始まりなのか

考えてみれば、これは当然のことです。Baiduで上位表示を目指すなら、まず質の高い中国語のコンテンツがなければ、評価の対象にすらなりません。Naverで韓国のユーザーにアプローチしたいなら、韓国語のコンテンツがなければ、その挑戦は始まりすらしません。

Baiduには中国語、Naverには韓国語のコンテンツが必須

現地の言語で、現地のユーザーのために丁寧に作られたWebサイトを持つこと。これこそが、全ての海外向けSEOの、そしてグローバルなビジネスコミュニケーションの、揺るぎない土台となるのです。

グローバルなSEO基盤を「Autolingual」で構築する

「海外SEOの重要性は分かった。でも、各国の検索エンジンに対応した多言語サイトなんて、どうやって作れば…」

その課題を解決し、あなたのグローバルなSEO基盤の構築を、誰でも、簡単かつ効果的に実現するのが、株式会社Enjuが提供するWebサイト多言語化サービス「Autolingual(オートリンガル)」です。

Google以外の検索エンジンにも対応するサイトの基盤作り

Autolingualは、最大130の言語に対応。これにより、Googleが強い欧米市場だけでなく、Baiduが支配する中国、Yandexが強いロシア、Naverが強い韓国といった、独自の検索エンジンを持つ国々のユーザーに対しても、それぞれの言語でアプローチするためのサイト基盤を、瞬時に構築することが可能です。

高品質な多言語コンテンツで、各国のユーザーを惹きつける

最新のAI翻訳と、プロのネイティブ翻訳者によるチェック機能を組み合わせることで、各国のユーザーに違和感なく受け入れられる、高品質で自然なコンテンツを提供します。辞書機能を使えば、製品の固有名詞や専門用語も、全ての言語で正確に統一できます。

技術的なSEO設定を自動化し、コンテンツ制作に集中

Autolingualは、多言語サイトのSEOに不可欠なhreflang属性の設定や、各言語に最適化されたURL構造の生成などを自動で行います。あなたは複雑な技術設定に頭を悩ませることなく、最も重要な「現地のユーザーに価値を届けるコンテンツ制作」そのものに集中することができるようになるのです。

Webサイトの多言語化はこうやる!言語切り替えボタンの実装について

海外SEO対策とは?基本から実践手順、注意点まで徹底解説

まとめ

本記事では、海外の検索エンジンの多様な世界と、それに対応するための基本的な戦略について解説しました。

「SEO対策=Google対策」という日本の常識は、世界に一歩踏み出せば、必ずしも通用しないという現実をご理解いただけたでしょうか。

海外展開を成功させる鍵は、ターゲットとする国の市場環境と「検索文化」を深く理解し、敬意を払うこと。そして、その上で、現地の言語で、現地のユーザーの心に響く、価値ある情報を発信し続けることです。その全ての土台となるのが「多言語対応されたWebサイト」に他なりません。

この記事が、あなたのビジネスが国境の壁を越え、世界中の新たな顧客と出会うための、力強い羅針盤となれば幸いです。